Project/Area Number |
10J05804
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
芸術学・芸術史・芸術一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 梨沙 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ショパン / 楽曲分析 / 演奏論 / ポーランド語 / ポーランド詩学 / ロマン主義文学 / 詩学 / 手紙 / 作曲技法 / 演奏法 / 音楽学 / 比較芸術 / ポーランド |
Research Abstract |
本研究の目的「ショパンの作曲技法について、和声、音型、リズムが各パラメータを超えて連動するという分析を行った上で、このはたらきがショパン全作品に通じる可能性を示唆すること」を踏まえ、平成24年度は、再度ポーランドへ渡航し、ワルシャワ大学音楽学研究所を拠点として長期フィールドワークを行った。今回は上記のような作曲技法と、それに基づいた演奏法の媒体として、「ポーランド詩学」が極めて有効なのではないかという点に気づき、詩学が絡むショパン関連の文献収集にとくに努めた。一次資料としてポーランドの国立図書館でしか閲覧できない貴重な文献に触れることができ、ショパンの文体ならびに作曲技法的特徴を検証する上での比較対象として、これらは非常に有効な資料であった。これらの資料に基づく比較研究により、ショパンの文章構造をより理論的に解釈できるようになれば、その結果を彼の作曲技法的特徴と照合し、結果的には全作品に共通する特徴を見出し、より説得力のある演奏法を考案できると思われる。この発想は、音楽学界においてもこれまでになかった新たなものであり、また実演と理論の共存・共有が未だ難しい状況にある中、実演に応用できる理論が生まれれば、学界、演奏業界両方の発展にも貢献できると考えている。 加えて現地では、ワルシャワ大学ポーランド文学専攻で教鞭を執るdr. Lukasz Wrobel氏やdr. Anna Teczynska氏に、とくに詩学の面で指導を受ける機会を頂いた。Teczyhska氏は「芸術分野の相互連関」をテーマとし、文学者の立場から文学における音楽作品の表象に取り組んでいる研究者で、音楽学の視点から文学を取り入れる本研究者とは極めて近い関心ながらちょうど対極の立場をとっており、貴重な出会いであった。もし可能ならば、今後何らかの形で共同研究をさせて頂きたいと考えている。
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