Project/Area Number |
10J05926
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中村 麻美 鹿児島大学, 農学部, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 貯食活動 / 森林性野ネズミ / 生命表 / マテバシイ / 遺伝解析 / 森林更新 / 生命表解析 / 野ネズミ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、野外調査によるマテバシイ堅果の生産から実生の定着までの生命表解析を実施し、野ネズミの種子散布者としての貢献度について明らかにすることが出来た。1995年から2008年までの生命表解析の結果、堅果の死亡は、堅果が地上に落下してから発芽するまでの期間に最も多く、野ネズミによる捕食が最も強く影響していることが明らかになった。また、その年の堅果生産量が豊作であることは、マテバシイ実生が多く定着するための必要条件であったが、それだけでは不十分であり、野ネズミの定住個体数が少ない年である必要があることが明らかになった。 野ネズミの貯食活動をより詳細に明らかにするため、野ネズミに小型発信機を取り付けて行動圏を調べたところ、これまでに捕獲調査結果から最外郭多角体法で推定されていた行動圏よりもかなり広い面積を利用していることが明らかになった。また、スギ人工林と広葉樹林両方を利用する野ネズミの行動圏は、一方の林相を利用する野ネズミの行動圏よりも広く、このような個体によって広葉樹林からスギ人工林内へ堅果が持ち運ばれることが示唆された。また、個体間で行動圏が重複している例もみられた。このように重複している部分では、貯食者以外による貯食の盗難が起こっていることが確認された。また、貯食の盗難が起こる時、堅果は餌場からより遠くへ運搬されることも明らかになっている。したがって、このように広い行動圏内での貯食の繰り返しや、行動圏が重複する部分での盗難の発生によって、堅果はリレー方式で複数個体によって運搬され、母樹からの長距離分散が起こりうるということが示唆された。 本研究により、野ネズミの種子散布者としての貢献度や、その実態をより明確にすることが出来た。このような結果は、我が国の森林管理を行う際の重要な情報となりうると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた貯食活動についてのより詳細な調査が出来、生命表などの作製も完了することが出来、ほぼ予定通りの研究内容となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、野ネズミによる貯食活動のより細かい部分について調査・研究する必要があると考えられる。たとえば、野ネズミの行動圏と貯食活動の関係などを野外調査により明らかにすることによって、野ネズミが自然条件下でどのくらいの範囲を行動、活用するのかを明らかにすることは、我が国の今後の森林施業を考える上で非常に重要な情報となりうるだろう。また、ヒメネズミの貯食活動を明らかにすることも必要であり、ヒメネズミについての調査を進めることで、日本に広く分布している野ネズミの代表種である、彼らの種子散布者としての役割を考察することが重要である。
|