花粉管誘引物質群 LUREs の受容体同定による花粉管ガイダンス機構の解明
Project/Area Number |
10J05954
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥田 哲弘 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 植物 / 生殖 / 花粉管ガイダンス |
Research Abstract |
被子植物の受精において、花粉から伸びる花粉管細胞は複雑な雌しべ組織の中で迷うことなく、卵細胞のある微小な領域へ正確に誘導される。この花粉管ガイダンスという現象において、花粉管誘引物質LUREsは最も重要な雌側の鍵因子の1つである。本研究では、花粉管が誘引物質LUREsを受容・応答する機構を解明するために、LUREsの受容体を同定することを目指している。24年度は、花柱組織による誘引物質の受容・応答制御を明らかにするため、花柱の長さや花粉管の伸長時間を変えて、LURE2をモデルとして誘引物質への応答性を調べた。その結果、長い花柱を通って長時間伸長した花粉管のみがLURE2に応答できることがわかった。また、花粉管がどの部位でLURE2を結合するかを調べるために、LURE2結合の観察方法を開発した。この観察法を用いることで、短い花柱を通って長時間伸長した花粉管は、LURE2に誘引はされないものの、花粉管先端でLURE2を結合することが示された。これらの結果から、LUREによる誘引シグナルにおいて,花粉管は母体の花柱組織によってLUREに対する結合性と応答性の少なくとも2段階で制御されていることが明らかとなった。さらに、花柱を通過する過程で遺伝子発現がどのように変化するのかを明らかにするために、次世代シーケンシングによる遺伝子発現解析をおこなった。その結果、花粉管は花柱を通過することで遺伝子発現が劇的に変化し、花柱の長さや伸長時間の違いによっても発現変動することが明らかになった。トレニア花粉管の遺伝子発現データベースを構築したことで、質量分析によるタンパク質の同定数が向上した。誘引物質の受容体や、その下流の相互作用因子など、誘引シグナルによる方向制御や花粉管伸長に関わる花粉管タンパク質を同定するうえで重要な成果を得た。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)