コリン作動性神経の機能獲得に関するエピジェネティック制御機構の解明
Project/Area Number |
10J05975
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
相澤 修 日本大学, 生物資源科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | コリン作動性神経 / コリンアセチル基転移酵素 / ヒストンアセチル化修飾 / ヒストン脱アセチル化酵素 |
Research Abstract |
コリン作動性神経において、神経伝達物質であるアセチルコリンの生合成は、コリンアセチル基転移酵素(ChAT)により触媒されることから、ChAT遺伝子およびタンパク質の発現は、コリン作動性神経機能獲得の最も特異的な指標として認められている。昨年度までの研究において、ChAT遺伝子の発現は、そのプロモーター領域におけるヒストンアセチル化修飾により制御されることを示した。今年度は、さらに詳細な機構を探るため、いずれのヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)が、ChAT遺伝子の発現制御に関与するかについて、前年度と同様にNG108-15細胞を用いて検討した。未分化細胞に対するクラスIIa特異的阻害剤処理により、ChAr遺伝子発現が増加した。また、ジブチリルcAMPによって誘起される神経分化過程におけるHDACの発現を解析した結果、クラスIIaファミリーに属するHDAC9が遺伝子およびタンパク質レベルで顕著に減少した。さらに、分化誘導後の細胞においては、ChAT遺伝子プロモーター領域からHDAC9タンパク質が解離することを確認した。加えて、未分化細胞に対してHDAC9特異的siRNAを導入することにより、ChAT遺伝子発現が増加することを確認した。以上の結果から、未分化NG108-15細胞におけるChAT遺伝子は、プロモーター領域近傍のヒストンタンパク質がHDAC9により脱アセチル化された状態となり、その転写は抑制される。また、細胞外からの分化誘導刺激により、HDAC9がプロモーター領域から解離し、高アセチル化状態となることでChAT遺伝子発現が活性化され、機能的なコリン作動性神経へと分化することが示された。これらの成果は、神経伝達物質表現型獲得機構の解明に貢献すると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)