Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
我々は,顔写真を見たときに,その被写体が正面顔なのか横顔なのか,顔の向きによらず,それが誰か判断することができる.このようなロバストな顔認識は,側頭葉の下側頭皮質と呼ばれる脳部位が担っているとされる.申請者は,このロバストな顔認識のメカニズムを解明するため,サルの下側頭皮質の神経細胞活動を計測したデータの解析を行った.具体的には,サルに対して顔画像を提示したときの神経細胞の応答を計測したデータを基に,顔識別に寄与し得る神経細胞の組合せの網羅的探索を行った.その結果,そのような神経細胞の組合せは多数存在し,それによって,ロバスト性な顔認識が得られる可能性を示唆する結果を得た. この神経細胞の組合せの網羅的探索は,神経細胞数の指数オーダーで計算量が増大してしまう.そこで申請者は,この網羅的な探索を,大規模データに対しても適用可能にするため,新手法を開発した.新手法は,マルコフ連鎖モンテカルロ法の一つであるレプリカ交換モンテカルロ法を用いることによって,神経細胞の組合せの網羅的探索を高速に行うことが可能である. また申請者は,この顔認識メカニズムを支える神経基盤を解明するため,神経回路モデルの解析を行った.特に,近年その重要性が指摘されている神経活動のスパース性が神経回路に与える影響を,統計力学的手法を用いて解析した.その結果,スパース性が,下側頭皮質における複雑な情報表現に重要となることを示唆する結果を得た.
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