Project/Area Number |
10J06185
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
笠倉 和巳 日本大学, 生物資源科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | アレルギー / マスト細胞 / 腸内共生菌 / TLR / プロバイオティクス / 腸内共生細菌 |
Research Abstract |
プロバイオティクス及び腸内共生菌によるマスト細胞のアレルギー応答の制御 これまでに合成TLR2リガンドPam3CSK4で前処理することにより、IgE/抗原刺激によるマスト細胞のアレルギー応答が抑制され、その機序は細胞内シグナル伝達の抑制によるものであることを明らかにしている。さらに、IgE受容体からの細胞内シグナル伝達に必須の分子であるSykに結合する分子量約70KDaの分子のチロシンリン酸化がPam3CSK4処理により亢進することを見出しており、本年度はTLR2を介したマスト細胞のアレルギー反応の抑制に寄与する分子の候補として、Sykと会合するこの分子の同定を試みた。MS解析によりその分子の候補としてGタンパク質共役型受容体キナーゼ1(GIT1)を同定した。 腸内共生菌によるマスト細胞の終末分化の調節 昨年度までにマウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)のin vitro分化系を用いてマスト細胞の終末分化に及ぼす腸内共生菌の作用を解析した結果、Lactobacillus casei JCM1134(LA)で2週間刺激することによりIgE/抗原刺激による脱顆粒応答の抑制、顆粒形成の抑制および転写因子C/EBPαの発現上昇を確認した。そこで、本年度はC/EBPαの過剰発現系を用いてマスト細胞の終末分化におけるC/EBPαの役割を明らかにすることを目的とし解析を行った。その結果、IgE/抗原刺激による脱顆粒応答はC/EBPαの発現上昇により変化しなかった。このことから、LA刺激による脱顆粒応答の抑制にはC/EBPα以外の因子が関与していることが示唆された。一方、微生物菌体刺激によるケモカイン(MIP-2)産生はC/EBPαの発現上昇に伴い上昇した。マスト細胞は、アレルギー炎症の誘導のエフェクター細胞として広く知られているが、一方で病原菌の排除といった感染防御機能も担っている。よって、腸内共生菌はマスト細胞の終末分化に作用し、マスト細胞の機能のバランスを調節し、その作用の一部はC/EBPαの発現上昇を介したものであることが示唆された。
|