Project/Area Number |
10J07766
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 慧 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | X線天文学 / 分光観測 / 銀河面リッジX線放射 / 白色矮星 / 激変星 / 低質量X線連星系 / 中磁場白色矮星連星系 / 矮新星 |
Research Abstract |
本研究課題は、X線衛星すざくを用いて銀河面に沿って放射される銀河面リッジX線放射の起源を探るものである。この銀河面リッジX線放射の起源を説明する一つの説として、無数の暗いX線放射天体の重ね合わせで説明できるとするものがある。定量的にそのX線スペクトルを説明するためには、多様なX線スペクトルを持つ多数の天体種族に対して、個々のX線スペクトルを詳細に調査した上で、それらのX線スペクトルを足し合わせることによって、銀河面リッジX線放射のX線スペクトルを再現できるかどうか見る必要がある。この研究テーマに対して、本年度では以下の2つの研究を行った。(1)特徴的な時間変動を示し、電波からガンマ線までの広帯域放射を示す天体XSS J12270-4859の、X線・近赤外線同時観測による正体解明調査。昨年度の研究により、XSS J12270-4859という天体が特異な時間変動を示すことを明らかにした。最近の研究により、本天体は電波からガンマ線までの広帯域に渡って放射をしていることが明らかになった。本研究では、X線と近赤外線の同時観測を行うことによって、その正体がジェットを持った低質量X線連星系であることの示唆を得た。その結果、本天体の銀河面リッジX線放射への寄与は、他の天体種族と比べて非常に小さいことの知見を得た。(2)矮新星Z Camの可視光アウトバースト開始直後のX線スペクトル調査。矮新星Z Camが可視光でアウトバーストを開始した直後を、偶然にもX線観測で捉えることに成功した。そのX線スペクトルを詳細に解析したところ、低エネルギー側に時間変動する吸収体が存在することをX線帯域で初めて発見した。スペクトルの時間変化および天体光度の時間変化から、この時間変動する吸収体の正体が、降着円盤からの物質風、もしくはアウトバーストに伴って鉛直方向に膨張した降着円盤自身であると結論付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、多様なX線スペクトルを持つ多数の天体種族のX線スペクトルの詳細な解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、多種多様なX線天体スペクトルの詳細な解析を進めた上でくそれらのX線スペクトルを合成し、銀河面リッジX線放射のX線スペクトルと比較を行う。
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