Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
平成22年度は,埋め込みのなす空間の(コ)ホモロジー群について,その代数構造を調べること,および非自明な元を見つけることを目標に研究を行った. (1)R^1からR^nへの"long embedding"のなす空間について,以前にn>3が奇数の場合に,配置空間積分とオペラッドの作用を利用することによって,従来知られていた三価グラフに付随するものとは異なるコホモロジー類を見つけていた.平成22年度に完成した論文においては,n=3のときに同じコホモロジー類を構成するときに生じる「アノマリー」と呼ばれる障害が消滅していることを証明した.同論文ではR^1からR^3への埋め込みの空間の1次コホモロジー類を初めて具体的に表示したことになるが,そのコホモロジー類と次数2のVassiliev不変量との関連も調べた.同論文は同年度末に専門誌へ掲載された. (2)埋め込みの空間のトポロジーは,様々な点でループ空間のトポロジーに類似している.平成22年度は,Chas-Sullivanの"stringトポロジー"と類似の構成をlong embeddingの空間に対して行い,ホモロジー群上にBV代数と呼ばれる構造を定義した.これはBudney-Salvatoreにより予想されていたものであり,framed little disks operadと呼ばれるオペラッドの作用をホモロジー群のレベルで実現したものになっている.この構成は幾何学的なものだが,一方で乗法を持つ巡回的オペラッドに付随するHochschildホモロジー上で,対応するホモロジー作用素を代数的に記述することもできた.後者はConnes作用素がBV代数構造を定めることを示したTradlerの仕事を次数つき加群に拡張したものである.
|