Project/Area Number |
10J08150
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
荘島 幸子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神保健計画研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,301,041 (Direct Cost: ¥2,301,041)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2011: ¥401,041 (Direct Cost: ¥401,041)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 性的少数者 / 自殺予防 / 学校教育 / フィールドワーク / インタビュー |
Research Abstract |
本研究課題では、【研究1】性的少数者の学校生活における経験と対処方略の検討、1研究2】学校現場の教師および養護教諭の性的少数者に対する対応の検討、【研究3】性的少数者に対する学生(非当事者)の態度に関する検討、【研究41学校における自殺予防教育〇普及啓発・自殺予防教育のコンテンツの整理の4つの研究を行う。今年度は、【研究1】【研究2】【研究4】について研究成果に進展がみられた。 【研究1】女性から男性に性別を変更した性同一性障害者の当事者1名にインタビューを行った。なお、インタビューの内容について本人に逐語記録を送付し、内容を確認および補足してもらったうえで、承認を得て分析を行った。その結果、自分の扱い方が分からずに(対処方略のなさ)、「普通」からはみでてしまう自己が見出された。はみでる自己の在り様に気付きながらも、Bは自分の抱えている問題についてばれてはならないと考えていた。Bの語りには「無難に無難に」「隠れみのにする」といった自分の存在を隠す方略が伺えた。このことは、クラスで性的少数者の存在を伝えようとするマイノリティ教育を当事者への配慮の観点から再検討する必要性を示唆している。 【研究2】中学校および高校教員を対象とした質問紙調査のデータをもとにKJ法を行った結果、大カテゴリとして(1)学校における対応(トイレ・体育・制服・行事・他生徒への説明)、(2)生徒の有する問題行動と心理的脆弱性、(3)理解できない、(4)性的少数者としてのアイデンティファイ、(5)情報の共有(生徒間、教員間)、(7)教員側のリソース不足、(8)相談にうまくのれない、(9)将来の心配という9つのカテゴリが抽出された。教員一生徒の相互関係において性的少数者生徒と教員の認識のずれ(例:性的少数者生徒の現状をサポートすることと将来、社会で自立して生きられること)や一教員のなかでの認識の分裂(教員として理解し、支えることVSどこかで否定しているかもしれない)がみられた。 【研究4】昨年度開発した自殺予防教育GRIPを別の中学校で実施し、教員のための視覚材料(ビデオ)を作成した.現場の反応をもとに、内容の見直しを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究1】および【研究2】は、データの分析を行っている段階にあり、研究知見を積み上げている。また、研究成果を学会や一般市民向けの講演を通じて発表している。【研究4】は、プログラムの内容を見直し、より現場の教員が使いやすいよう教材の工夫や補助教材の開発を行っている段階にある。上記の理由により、研究はおおむね順調に進展しているといえる。しかし、【研究3】に関してはデータが未収集であり、遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究1】、【研究2】については、論文に投稿する準備を進める。また、引き続き一般市民向けの理解を促進するためのツールづくり(たとえば、パンフレットやHPなど)を行っていく予定である。【研究4】については、今年度はプログラム内容の確定をするとともに、プログラムの効果測定を行う。【研究3】については、早急に質問紙調査を実施する。そのためには性的少数者に対する態度を測定する尺度を確定する必要がある。大学生を対象とした調査を行う準備はすでに整っている。
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