Project/Area Number |
10J08155
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今野 泰三 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | パレスチナ/イスラエル / 宗教シオニズム / 規範共同体 / 政治地理学 / 地域研究 / ナショナリズム / 入植地 / 植民地主義 / イスラエル入植地 / ヨルダン川西岸地区 / ユダヤ教 / シオニズム / 主権 / 集合アイデンティティ |
Research Abstract |
◆本研究の目的と内容 宗教シオニストは、第三次中東戦争以降、イデオロギー的・神学的に先鋭化し、占領地に暴力的に入植してきた。その暴力はイスラエル左派にも向かっている。他方で、急進化・暴力化する宗教シオニストの入植者は「氷山の一角」に過ぎず、背後に広い支持基盤が存在すると指摘されている。本研究は、この指摘を論証するため、宗教シオニズムを核とした「共同体」の範囲と、それを成立させるイデオロギー・神学と物質的基盤とその変容過程を解明することを目的としてきた。 本研究者はまず、占領地の実効支配を正当化する宗教シオニストの論理と、状況が規定する集合意識や規範の在り方を明らかにするため、宗教シオニスト入植者の死/死者をめぐる語りと空間表象に関する研究を行った。次に、現実との矛盾を解消するために宗教シオニストが採用した新しい入植地の形態に着目し、その内部の社会経済構造と集合意識の実態を考察した。ここでは、世俗的ユダヤ人と宗教的ユダヤ人の「共存」や「相互理解」といった意識・言説が、パレスチナ人や一部のユダヤ人の排除した上で創造・想像されるとともに、逆にこの意識・言説が排除を正当化していることを指摘した。 ◆本研究の独自性と重要性 本研究の特色は、第1に、イスラエル/パレスチナを複数のく規範共同体>が併存・相互作用・競合・重複する空間と見なして分析する点にある。第2の特色は、パレスチナ/イスラエルの政治地理が、秩序・集合意識・境界の変容に伴う<規範共同体>の揺れ動きによって形成されると理解し、そのプロセスを体系化・概念化してきた点にある。
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