Project/Area Number |
10J08201
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Resource conservation science
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
岩井 紀子 独立行政法人森林総合研究所, 野生動物研究領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 保全生態学 / 保全遺伝学 / 奄美大島 / 遺伝的構造 / オットンガエル / 森林保全 / 集団遺伝 / 両生類 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
昨年に引き続き、現地調査を主体とした研究を行った。4月には、オットンガエル幼生の成長状況調査のため、繁殖地における幼生の捕獲、体サイズ測定を行なった。また、成体のテレメトリー調査を継続し、行動範囲に関するデータを取得した。6~7月は、林道沿いにできる人工的な繁殖地の価値を明らかにするため、林道を横切る沢を踏査し、自然繁殖地をGPS上に落とし、繁殖巣の数を記録した。これらと、人工的な構造物を利用した繁殖地の相対使用頻度を解析する予定である。また、産卵のための巣の意義を明らかにし、天然と人工の両繁殖地における巣の形態が、艀化率に与える影響を比較するため、産卵後の卵の運命を固定カメラ等を用いて記録した。また、テレメトリー調査についても継続して行ない、同一個体について1年間の追跡をすることができた。 現地調査以外の期間はオットンガエルの遺伝的構造の解析を進めた。昨年度開発したマイクロサテライトマーカーを用いて、現在までの遺伝子サンプルを解析し、加計呂麻島、および龍郷町の集団が湯湾岳を周辺とする奄美大島中部の集団と遺伝的に分化していることを明らかにした。集団の分化は、マングースの捕食による非生息域の出現や、道路や市街地の存在といった障壁が原因であった可能性が示唆され、今後奄美大島における稀少生物の保全において、集団間の遺伝的交流を考慮する必要性を提示することができた。この結果については原著論文としてまとめ、発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定として記した内容のうち、テレメトリー調査、幼生のDNAサンプル採取、マイクロサテライトマーカー作成が終了しただけでなく、さらに作成マーカーを用いた集団遺伝解析まで行うことができた。一方、幼生の食性調査については、途中辞退のためできなかった。
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