Project/Area Number |
10J08508
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
福永 航也 麻布大学, 獣医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | イヌ / 薬物動態 / 個別化医療 / 一遺伝子多型 / 薬物代謝酵素 / CYP3A / 抗てんかん薬 / SNPs |
Research Abstract |
イヌの薬物治療において効果や副作用の有無の個体間変動は非常に大きな問題となっている。しかし、その個体間変動に関する個別化医療の研究はイヌにおいてほとんどなされておらず、獣医療の解決すべき急務の課題である。そこで私は前年度に抗てんかん薬ゾニサミド、免疫抑制剤シクロスポリンおよび心不全薬カルベジロールの第一相の薬物代謝酵素における主な代謝経路はイヌ肝ミクロソームを用いた場合、イヌのCYP3AついでCYP2Bであると明らかにした。また、それらの薬物動態を調査した所、カルベジロールの体内動態のパラメーターの個体差(=個体間変動)が最も大きく、次いで、シクロスポリン、ゾニサミドの順で体内動態のパラメーターの個体差が大きかった。この個体間変動のメカニズムを明らかにするために各イヌのゲノムからCYP3A12およびCYP2B11遺伝子のエクソン上の1塩基置換(SNPs)を網羅的に調査した。結果としてイヌのCYP3A12では2つの、CYP2B11では1つのSNPsを見つけるに至った。そのSNPsと薬物動態を照らし合わせた所、その1つのSNPsだけでは薬物動態の違いを説明することはできなかった。今後はCYP3A12やCYP2B11のSNPsだけでなく、第二相反応酵素であるグルクロン酸抱合やABCトランスポーターなどイヌの薬物の代謝経路を全て明らかにし、それらの個体差も含めて考慮していかなければイヌの薬物の個体差のすべて解明するには至らないことを改めて証明した。以上のように単一の酵素で個体差の全てを語ることが困難であると分かったことが本研究の最大の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イヌの薬物の代謝経路は不明なものが多い中、3つの薬物の主な代謝経路を同定し、その個体差に係わる2つの薬物代謝酵素の遺伝子多型を網羅的に調査したことは今後、同様の研究を行う際の指針となるものに値するため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCYP3A12やCYP2B11のSNPsだけでなく、第二相反応酵素であるグルクロン酸抱合やトランスポーターであるABCBやABCCなどイヌの薬物の代謝経路を全て明らかにし、それらの個体差も含めて考慮していかなければイヌの薬物の個体差をすべて解明するにはいたらない。
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