Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
計算機環境の複雑化・多様化により,それぞれの条件(問題や計算機環境)に応じてアルゴリズムをチューニングすることが,高性能計算を実現するために不可避となっている。その際,従来の人手によるチューニングだけでなく,何らかの仕組みに基づいて計算機自身がチューニングを行う「自動チューニング」技術の開発が求められている。このような背景の下で,昨年度は基本的な行列計算の一つであるQR分解におけるブロック化の方法を自動的に決定する仕組みを構築し,有効な自動チューニング手法として期待できることを示した。そこで,本年度はこの手法をベースにして,実用化の観点から研究を進めた。 構築した手法では,動的計画法を用いることでアルゴリズムの候補を効率的に比較することが可能となっていた。また,比較の際に使用する評価値は性能予測モデルにより算出されることを前提としていた。そこで,本年度は,使用する性能予測モデルによる,チューニングの効果と実行コストの変化について考察した。また,行列サイズが大規模になった場合,全ての候補を比較することが困難になることが予想されるため,候補を限定してチューニングを行う手法の効果について検討した。さらに,限定の仕方を徐々に変化させることで,チューニングの効果とコストのトレードオブを効率的に制御する手法についても検討した。一方,並列計算を想定して,共有メモリ型並列計算機を用いてQR分解を行う場合の自動チューニング手法に関して検討した。並列計算では,TSQRと呼ばれるブロック分割が可能となり,同時に有効であることが知られているので,これを新たに取り入れたチューニング手法を構築し,その効果を検証した。 その他,QR分解以外として,LU分解アルゴリズムに対する自動チューニング手法を検討した。 以上の研究により,大規模行列計算アルゴリズムに対する実用的な自動チューニング手法の開発に向けた一つの方向性を示すとともに,その過程で解決すべき課題を具体的に明らかにすることができた。
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