イソシアノ酢酸誘導体の不斉付加反応を基盤とした天然神経毒アミノ酸類の全合成研究
Project/Area Number |
10J08802
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大江 健太郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | アクロメリン酸 / イオンチャネル型グルタミン酸受容体 / アゴニスト / イソシアノ酢酸誘導体 / Michael付加-環化反応 / 根岸カップリング / カイニン酸 / マイケル付加-環化反応 / 銅触媒 |
Research Abstract |
カイニン酸は海人草から単離・構造決定され、戦後、回虫駆除薬として利用されたアミノ酸である。後に、カイニン酸が脳の特定部位を破壊しててんかん様の作用を引き起こすことが明らかになり、現在ではカイニン酸受容体サブタイプのアゴニストとして神経科学分野に広く用いられている。毒キノコの一種であるドクササコから見出されたアクロメリン酸はカイニン酸を遥かに凌ぐ興奮作用を示すことから、その供給が脳神経研究分野から切望されている。しかし、微量成分であり薬理学的詳細の調査には効率的な全合成による量的供給が必要である。そこで、カイニン酸およびアクロメリン酸の効率的供給経路の確立を目指し研究を開始した。 我々は前年度までの研究において、不斉補助基としてカンファースルタムを有するイソシアノ酢酸アミドと5-オキソ-3-ヘキセン酸-tert-ブチルエステルとのMichael付加-環化反応を鍵とするカイニン酸の効率的全合成を達成した。本鍵反応は高い汎用性が期待される。そこで、ピリドンカルボン酸を電子求引基として導入したMichael受容体を合成し、アクロメリン酸Aの合成に取り組んだ。しかし、種々の条件下Michael付加-環化反応は全く進行しなかった。 Michael付加-環化反応によるアクロメリン酸の合成は困難であると考え、3-プロモ-2-メトキシ-6-メトキシカルボニルピリジンとN-Boc-(3R)-3-tertブチルカルボニルメチル-(4R)-4-ヨード-L-プロリンメチルエステルとの根岸カップリングを鍵反応とした合成ルートを新たに立案した。鍵となる根岸カップリング反応は、25%と低収率ではあるもののC4位のジアステレオマー混合物(dr=1:1)として生成物を与えた。得られたカップリング生成物は脱保護によりアクロメリン酸Aとアロアクロメリン酸Aへと導いた。現在、根岸カップリング反応の収率およびジアステレオ選択性の改善に取り組んでいる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)