Project/Area Number |
10J08896
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋口 幸治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 光格子時計 / ストロンチウム / 中赤外領域 / レーザー冷却 / 光格子 / 中性原子 / 量子エンタングル状態 |
Research Abstract |
ストロンチウム原子(Sr)の5s5p3P2-5s4d3D3間の遷移の遷移波長は約2.9μmと、中赤外領域にあたる。この中赤外遷移を用い、量子エンタングル状態を生成する等の応用を用いることで、将来的に光格子時計の精度向上に貢献することを目指した。 今年度は、まず2.9μmのレーザーの改善に取り組んだ。高安定なレーザーを目指して、今回は、ULE共振器に安定化した1062nmのレーザーと1558nmのレーザーを利用し、1558nmの倍波の779nmのレーザーと1062nmのレーザーの差周波を生成することで、高安定な2923nmのレーザーを生成した。 安定化した2923nmのレーザーを利用して、5s4d3D3準位の寿命を測定した。これにより、Sr原子光格子時計における時計遷移の黒体輻射シフトを見積もることができた三現在の光格子時計の確度を制限している主要因であるため、今回の結果により時計の精度の向上に貢献できたと言える。 次に、今回の中赤外遷移を利用したレーザー冷却を使用することで、冷却時間を短縮する方法、将来的には定常的に極低温原子を生成するスキームを構築し、実際に100ms程度で2μKの低温原子を生成することができた。これにより、将来的には、現在の時計の安定度を制限しているディック効果を抑制することができ、時計の安定度を向上できると期待している。 以上のように、当初の予定である量子エンタングル状態の生成は行っていないが、中赤外領域の遷移を利用することで、確度、安定度、両方の視点から時計の精度向上に貢献できる技術を開発することができたと言える。
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