Project/Area Number |
10J09033
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水本 哲矢 The University of Tokyo, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 素粒子実験 / hidden photon / paraphoton / アクシオン / ニュートリノ振動 / シングルフォトン / フォトンカウンティング / 太陽 |
Research Abstract |
標準模型の諸問題を解決する手段の一つとして新たな対称性、特にU(1)h対称性を導入する方法があるが、対応するゲージボソンとしてOkunが提唱したhidden photonが挙げられる。hidden photonは物質と直接相互作用しない粒子だが、ニュートリノ振動のようにその質量、飛程、エネルギー、媒質密度等に応じたある確率で光子に振動すると考えられる。現在までに世界中で種々のhidden photonの探索実験、考察が行われてきたが発見されていない。本年度は、太陽が強力な光源であり、hidden photon発生源であることに着目して、数eVのエネルギーの太陽hidden photonの探索実験を行った。hidden photon検出装置は光子への転換領域を形成する真空容器、転換光子を一点に集光する放物面鏡、集光された光子を検出する光電子増倍管で構成される。測定の際には本検出装置を太陽に向ける必要があるが、既存の太陽アクシオン望遠鏡の太陽追尾システムを利用した。本実験装置を用いて太陽追尾測定とバックグラウンド測定を約22日間行った。hidden photonが検出されれば両測定結果のカウントレートに差が生じるはずであるが、有意な差は見られなかった。そこで実験条件と実験データからhidden photonと光子の混合角に対して上限値を決定した。決定される上限値はhidden photon質量の関数として表されるが、本測定により質量数meV付近において光子との混合角に対して世界で最も厳しい制限を付けることができた。これはhidden photon探索において重要な一歩であると同時に、この質量領域であればhidden photonは宇宙初期に大量に生成された可能性があるが、その検証の一部を行えたことになる。年度末現在、本成果に関する学術論文を執筆中で投稿予定である。
|