Project/Area Number |
10J09067
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
崔 [ギ]鉉 (2012) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
崔 〓鉉 (2011) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
崔 埼鉉 (2010) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | GaN量子ドット / ナノワイヤ / MOCVD選択成長 / 室温発光 / 単一光子発生 / 励起子分子 / GaNナノワイヤ |
Research Abstract |
窒化ガリウム(GaN)で代表されるIII族窒化物半導体は、青紫色や深紫外域の発光デバイスのみならず高温動作が可能な単一光子発生源用材料としても注目されている。本研究では、高品質な結晶成長が可能である、位置制御した窒化物半導体ナノワイヤとその内部に挿入されるGaN量子ドットの結晶成長技術の開発に取り組んできた。これまで、AlGaNを障壁層とする高品質ナノワイヤ内GaN量子ドットから、52meVに及ぶ巨大な束縛エネルギーをもつ励起子分子からの発光を観測している。今年度に得られた結果は大きく3つが挙げられる。ナノワイヤ内GaN量子ドットのMOCVD選択成長では(1)量子ドットの形成における各種成長条件の依存性を詳細に調べた。たとえば量子ドットの成長後、適切な成長中断条件を設けることによって単一のGaN量子ドットがナノワイヤ中に形成できることなどがわかった。これらはMOCVD選択成長法を用いた単一GaNナノワイヤ量子ドットの形成に非常に重要な技術であると考えられる。また、単一ナノワイヤ量子ドットを用いたフォトルミネッセンス(PL)の温度依存性を調べることにより(2)室温における発光を観測した。PL積分強度のアレニウスプロットで見積もられた活性化エネルギーは約350血eVと非常に大きく、ドットの第一準位とAIGaN障壁層のエネルギー差に相当するものであると考えられる。これは位置制御ナノワイヤ内GaN量子ドットドット中にキャリアが強く閉じ込められていることを示唆する結果である。単一量子ドットからの室温PL発光は、III-V族半導体量子ドットを用いたこれまでの報告でも数少なく、今後高温動作が可能な量子ドットベースの光源(たとえば単一光子源など)への応用が期待できる。さらに光子相関法による単一光子発生検証実験を行った。単一光子の特徴である、時間延長0での強度相関関数の低下(光子のアンチバンチング)が確認された。しかし単一光子源を証明する明瞭な値ではなかったため、今後その原因究明とそれらを意識した構造のさらなる最適化が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の計画では、単一のナノワイヤ内量子ドットからの単一光子発生と高温動作を目指していた。ナノワイヤ内GaN量子ドットのMOCVD選択成長技術を確立し、室温における発光を観測したのは本研究の目的に照らすと大きな進展であると考えられる。しかし単一光子発生検証実験を行ったものの、単一光子源であることには明らかにすることには有意な結果が得られなかったので現在までの達成度としてはやや遅れていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
光子相関測定の結果で延長時間0における強度相関関数の値が大きい原因について調べるとともに、構造のさらなる最適化を行う。例えば、ドットの発光波長が280nmと短く測定効率が非常に低いことにより今回の測定が正確に行われなかったことが大きな原因であれば、量子ドットの材料をInGaNなどに変え発光波長の長波化することにより、測定効率の向上が図れると考えられる。
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