Project/Area Number |
10J09318
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
数間 恵弥子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Agナノロッド / 酸化チタン / 局在表面プラズモン共鳴 / 光電気化学反応 / 情報記録 / プラズモン共鳴 / 局在電場 |
Research Abstract |
本研究では、金属ナノ粒子-半導体界面で起こるプラズモン誘起界面電荷分離(PICS)のメカニズムの解明と、PICSを利用した新規デバイスの開発を目指す。 本年度は、TiO_2上に二軸配向したAgナノロッドのPICSに基づく酸化溶解を利用した新規の画像記録材料への応用を検討した。本研究で作製したTiO_2上のAgナノロッドは多分散であり、可視-赤外域にかけて幅広い吸収を示す。これに特定波長の光を照射すると、照射波長で吸収が減少した。赤外域における吸収の変化は目に見えない画像記録に利用できる。実際に赤外光で記録した画像は、目には見えず、赤外カメラを通して書き込んだ波長の光の下でのみ認識できた。さらに、多波長の光による画像の多重記録も実現できた。また、配向したAgナノロッドは偏光方向に選択的に反応し、偏光選択的に吸収が変化する。この変化を利用した画像記録もでき、二方向の偏光によっても画像の多重記録を実現した。画像記録の過程では、PICSにより共鳴Agナノロッドは酸化溶解して長さが短くなり、溶け出したAgイオンはTiO_2へ移動した電子と再結合して周囲に小さなAgナノ粒子が再析出する。画像の消去には変化したナノロッドを元に戻すことが必要である。そこで本研究では新たな消去法として、再析出粒子が共鳴する青色光の照射により再析出粒子を再酸化させ、Agナノロッドの長さ・形状を元に戻すことに成功した。光照射によるAgナノロッドの可逆な形態変化を達成したことにより、可視-赤外フォトクロミズムが実現した。本材料は秘密保持やパスポート、クレジットカードなどの偽造防止、認証技術などに応用が期待される。 また本年度は、多極子のプラズモン共鳴励起に有利な高アスペクト比のAgナノロッドの酸化溶解挙動の解析により、これまで未確認であった多極子プラズモン誘起の電荷分離を初めて観測した。
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