近現代アラブ=ベルベル文学におけるモダニティとナショナリズムの受容と展開
Project/Area Number |
10J09331
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鵜戸 聡 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2012
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | アラブ / ベルベル / マグレブ文学 / アルジェリア / レバノン / アラブ演劇 / カテブ・ヤシン / アフリカ文学 / アルジェリア文学 / マグレブ研究 / フランコフォニー / フランス語圏文学 / アラブ文学 / アグレブ文学 / 比較文学 |
Research Abstract |
まず、前年度に完成させた博士論文「コスモグラフィーとしてのカテブ・ヤシン作品:アフリカ性と民衆の詩学をめぐって」が無事審査を終え、当該年度初めに学位が授与された(国内では初めてのマグレブ文学を対象とした博士論文)。これらの研究蓄積をもとにして、カテブに先行する作家ムールード・フェラウンに関する研究を進め、6月にはフランス語による論文を提出(アルジェリアの国立研究所CNRPAHから出版予定)、中東研究アジア大会(韓国中東学会担当回)の折には釜山で研究報告を行った。また、マグレブ文学研究会を立ち上げ、これを母体として11月には「ムールード・フェラウン没後50周年記念シンポジウム」を早稲田に開催し、アルジェリア文学に特化した本邦初の公開講演会を実現した。くわえて12月には、京都大学人文科学研究所主催・科研基盤(S)「日本表象の日本型グローバル研究」共催の国際シンポジウム「人種神話を解体する」(京都国際会館)に参加し、植民地アルジェリアにおける人種表象の問題を、植民者作家たちの文学運動「アルジェリアニスム」に即して論じた。2月には「2012年度立命館大学国際言語文化研究所冬期企画1「大日本帝国植民地と文学の言語」立命館大学のシンポジウム「大日本帝国植民地と文学の言語」で「異言語に敗北を抱きしめる:金石範からムールード・マムリへ」と題した報告を行い、比較植民地文学研究に着手した。 特にシンポジウムでの口頭発表を多く実施した年となり、前二年において蓄積した研究の成果をさまざまな場所で発表し、新たなパースペクティブのもとに発展させていくこととなった。加えて、アラブ=ベルベル演劇・文学に関する一般向けレクチャーを四回実施し、アウトリーチ活動に努めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前2年に遂行した研究成果をもとに数多くの発表を行い、さまざまな関連分野の研究者と交流しながら、研究の新たな発展へと足を踏み出すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
カテブ=ヤシンを中心とする古典作家のフランス語文学研究に一区切りをつけ、後続のアラビア語作家の作品研究を本格的に進める。同時に、近年のベルベル語による文化活動について調査を行う。また、台湾の植民地文学や母語運動にも注目し、東アジアの事例との比較研究を準備したい。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)