Project/Area Number |
10J09505
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
野村 雄高 分子科学研究所, 分子制御レーザー開発研究センター, 助教
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レーザー / 高調波発生 / 非線形光学結晶 / 紫外光 / 波長変換 |
Research Abstract |
本研究では、赤外のレーザー光の高調波を発生することにより、高繰り返しの真空紫外光源の開発を目的とした。その際、真空紫外光発生に適した非線形光学結晶である、KBe_2BO_3F_2(KBBF)と呼ばれる結晶を入手できたので、それを用いて波長変換を行うことにした。具体的な方針としては、イッテルビウムをドープしたファイバーによる近赤外波長域でのレーザーシステムを開発し、それをLiB_3O_5(LBO)結晶およびKBBF結晶を用いて数回に分けて波長変換を行うことで、最終的に7次の高調波の発生を目指すことにした。まずはレーザーシステムの開発を行い、オシレーターおよび増幅システムの出力として、平均出力7Wで、中心波長1074nm、幅20psのパルスを33MHzの繰り返しで得ることができた。これをLBO結晶に集光することにより、第二高調波発生によって二倍波(537nm)を3.6Wの出力で得た。この二倍波と基本波の残りとを別のLBO結晶に集光して波長変換を行い、三倍波(358nm)を1Wの出力で得た。次にこの三倍波をKBBF結晶に集光し、三倍波の第二高調波発生で元の光の6倍波(179mn)を出力1mWで得た。なお、6倍波は空気中の酸素によって吸収されてしまう波長域にあるので、KBBF結晶を密閉容器に入れ、窒素で満たした環境で波長変換を行った。最後に、この6倍波を基本波と重ねて別のKBBF結晶に集光し、7倍波の発生を試みた。その際、チョッパーを用いて基本波に変調をかけ、基本波に感度のない紫外光用光電管を用いてロックイン検出を行った。その結果、波長153.4nmの真空紫外光である、7倍波の発生を確認することができた。検出器の特性や用いたフィルターの透過特性などから、発生した7倍波の出力は1nW程度と見積もられる。なお、この結果はOptics Letters誌に投稿し、受理された。
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