Project/Area Number |
10J09607
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social psychology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 剛明 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 紛争 / 謝罪 / 公正世界観 / 影響力 / 企業不祥事 / 制裁動機 / 寛容動機 / 社会的勢力感 / 許し / 釈明 / 被害者 / 第三者 / 責任判断 / 社会的勢力 |
Research Abstract |
本年度は引き続き、紛争状況における個人の制裁や寛容の動機づけを規定する条件について実証的に検討した。平成23年度では、不祥事企業が示す謝罪に対する人々の反応が、企業への個人的影響力の感覚によって調整されることを示したが、平成24年度は、集団レベルの紛争に加えて個人レベルの紛争での検討を行うと同時に、人々が持っている公正観の影響も検討した。 実験1では、職場内トラブルと企業不祥事の各事例における侵害者への態度評定を、131名の参加者に求めた。この際、半数の参加者にのみ状況の当事者の処遇を左右する力があるという情報を提示し、影響力知覚を高めた。分析の結果、特に侵害者が不誠実な謝罪を行う場合、影響力が与えられた個人は、そうでない個人に比べ、制裁動機を低く評定する傾向が認められた。実験2では、影響力知覚に加え、公正観が不公正状況への反応を規定するかを検討した。参加者46名に、ある人物が他者に不当な低評価を下し罰の対象としてしまうという不公正状況を提示した。参加者に侵害者への親和動機の評定を求める際に、回答が対象の受ける罰などに実際に変化を及ぼすかという点で影響力を操作した。その結果、影響力が与えられると、世界が公正であるという信念が弱い個人の親和動機は高まるが、公正信念が強い個人の親和動機は低下するという、公正観と影響力の交互作用がみられた。実験3では、公正観と影響、そして謝罪の効果を総合的に捉えることを目的とした。実験1と同様の対人間紛争シナリオについて、参加者100名の回答を分析したところ、公正信念が弱い個人は、影響力を与えられると、謝罪がないと非寛容的に、謝罪があると寛容的に反応する傾向を強めていた。一方で、公正信念が強い個人は、影響力に関わらず、謝罪によって寛容的態度を高めていた。以上から、状況への影響力は、公正信念と複合的に作用しながら、人々の寛容反応を規定することが明らかになった。
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