Project/Area Number |
10J09704
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
芸術学・芸術史・芸術一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白井 史人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 20世紀の音楽 / 映画音楽 / オペラ / 表象文化論 / シェーンベルク / 音楽学 / 視聴覚文化 / シエーンヘルワ |
Research Abstract |
申請者は、シェーンベルク(1874-1951)の音楽の創作/批判/受容と視覚的要素、特に映像との関連を研究テーマとしている。 今年度は、4~8月までベルリン・フンボルト大に指導委託という形で滞在し資料調査を行い、帰国後はそれらの滞在の成果の発表を主な課題とした。 交付申請の時点で計画していたのは(1)2010年度収集資料の検討、(2)在欧資料館での発展的調査、(3)研究成果の発表の3点である。(1)に関しては、2010年3月にウィーンのアルノルト・シェーンベルク・センターで収集したシェーンベルクの妻・ゲルトルートの日記の検討を行った。これらの成果は、6月のベルリン自由大学での博士課程コロキアムと11月の日本音楽学会全国大会で発表した。さらに、(2)として当初予定していたノーノ・アルヒーフ(ヴェネツィア)への資料調査に代えて、ドイツの各資料館(ドイチェ・キネマテーク・ベルリン、ベルリン芸術アカデミー資料館、デュッセルドルフ映画博物館)で、1920~30年代の新聞、雑誌、映画関係者の遺稿の調査・複写などを行った。(3)の研究成果の発表としては、日本音楽学会全国大会での研究フォーラムの企画・発表、早稲田大学演劇博物館グローバルCOEオペラ研究会でのシンポジウム企画・発表(2012年1月)のほか、『演劇映像学2011』で査読論文「複数の声を撮る、『モーゼとアロン』の映画化」を発表した。 上記の活動を通して、20~39年代のシェーンベルクの創作活動と映像との関連に関する一次資料の裏付けを行うことができたことが第1の成果であり、他の作曲家や同時代のメディア史の中でそれらを位置づける作業が今後の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベルリンでの海外指導委託中に予定していた資料調査に関しては、新資料の発見などもあり一定の成果が挙がった。これらの資料の検討を通じて新たな調査や問題設定の拡大が必要となったこともあり、博士論文の提出は当初の予定よりも遅れることとなった。しかしながら、採用年度中の成果をもとに来年度以降のドイツ学術交流会からの奨学金受給が決まったため、当博士論文計画の執筆を発展的に進めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
採用期間中においては主に在ドイツの資料館での資料調査に多くの時間と費用を用いた。今後は、これらの資料の検討・発表を行う機会をさらに増やすことが求められる。現時点では、2012年7月に国際音楽学会での発表を予定しており、これらの機会を通じて研究者のネットワークを広げることを計画している。2012年4月よりドイツに再渡航しており、ベルリンを拠点として研究を進めることでこうした課題に対応する。 また、アメリカ、スイスなどで資料調査を行う必要も生じてきているため、各資料館・研究者との連携を取りながら研究を進めていく予定である。
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