Project/Area Number |
10J09957
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小澤 司 徳島大学, 薬科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | エナンチオ選択的合成 / キラルケテンイミニウム塩 / 付加環化反応 / 混合酸無水物 / 不斉合成 / アルカロイド / カルバモイルケテン / 分子内環化 / ケテンイミニウム塩 |
Research Abstract |
申請者が昨年度実施した研究に関する成果は以下のとおりである。 1.(-)-フィゾベニンの合成研究 キラルケテンイミニウム塩を用いた分子内[2+2]付加環化反応を鍵とする(-)-フィゾベニンの合成研究を行った。適切に置換基を導入した鍵反応前駆体を用いて本不斉反応を行ったところ、対応する付加環化体が収率75%、93%eeで得られた。続いてシクロブタノン部をBaeyer-Villiger酸化の条件に付し位置選択的環拡大反応を行いラクトンへと変換した後、二工程操作を経て、合成前駆体であるヘミアミナールへと導き、(-)-フィゾベニンの新たな合成ルートを開拓することができた。 2.混合酸無水物を用いた[2+2]付加環化反応の検討 分子内カルバモイルケテンーアルケン[2+2]付加環化反応をより温和な条件で進行させるための手法を開発することを目的に研究を行った。すでに申請者はこれまでの研究で鍵反応前駆体である、カルボン酸に対しクロロ蟻酸エチルとEt_3Nを作用させ、THF溶媒中室温にて撹拌すると付加環化体が収率60%で得られることを見出している。本変換はカルボン酸が混合酸無水物となった後、塩基が作用することでケテンが生成し、[2+2]付加環化反応を経て付加環化体が得られたと説明できる。申請者はこの結果に着目し、種々の条件を用いて混合酸無水物を経由する効率的な[2+2]付加環化反応の探索を行った。その結果、o-ニトロベンゼンスルポニルクロリドを用いる条件において付加環化体が収率82%で得られ、最も良い結果を与えることがわかった。ケテン―アルケン[2+2]付加環化反応は加熱還流ドに行う条件が一般的であるが、申請者は混合酸無水物を用いると室温条件下で円滑に進行することを見出した。本手法は新規不斉分子内[2+2]付加環化反応の開発の足掛かりとして、有用な知見となる可能性をひめている。
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