脱炭酸を経由する触媒的不斉アリル化反応の開発および医薬化合物の効率的合成への応用
Project/Area Number |
10J10480
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
殷 亮 The University of Tokyo, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 不斉触媒 / 不斉合成 / 医薬合成 / 金属触媒 / 銅 / パラジウム / キラルホスフィン / 炭素-炭素結合形成反応 |
Research Abstract |
平成22年度の研究においては脱炭酸的手法による活性化を経由したアリル化反応の開発に成功した。特にイミンを対象とするマンニッヒ型反応において高いエナンチオ選択性を獲得することに成功した。また、予備的な検討においてニトロアルケンへの脱炭酸的手法による活性化を経由したエノラート種の付加反応にも同様のコンセプトを適用可能なことがわかった。この点に関しては2年目の研究においてさらに詳細な検討を進めたい。また一方で、脱炭酸的手法による活性化を経由したアリル化反応のさらなる展開として医薬品ECi8の合成への応用を目指し検討を進めた。しかしながら、検討の結果、当初想定していた脱炭酸的手法による活性化では望みの生成物を得ることができなかった。そこで、研究方針の一部の変更を行うこととした。種々、反応条件を検討した結果、入手容易な芳香族トリフラートを出発原料とし、分子内で活性ケトンへと付加させる条件が有効であり、これにより効率的、かつ、高いエナンチオ選択性にて生成物を得ることに成功した。本反応は、芳香族クロライドなどの官能基があっても問題なく反応が進行する特徴を有しており高い官能基選択性を活かした合成経路の確立が可能となった。最適な触媒種の探索を行った結果、当初予定していた銅触媒ではなく、パラジウム触媒を用いた場合に最良の反応性と選択性、そして官能基選択性が得られることが分かった。平成23年度には平成22年度に開発に成功した触媒系のさらなる発展を目指し、医薬合成への応用を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)