Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究課題では、遺伝子シグナルを増幅させることにより高感度検出することを目的としている。本年度は、求核剤による芳香族求核置換反応を引き金とする新規蛍光発生分子システムの開発を行った。蛍光プローブの基本骨格としてアミノクマリンを用いた。アミノクマリンを、塩基性下、2,4-ジニトロベンゼンスルホニルクロリドで処理することにより、蛍光発生分子を合成した。さらに、合成した蛍光分子をDNAとカップリングさせることにより蛍光プローブを合成した。求核剤となるホスホロチオエート基を導入したDNAプローブは、DNA自動合成機により合成を行った。アミノクマリンをジニトロベンゼンスルホニル基で保護した化合物と求核剤となるホスホロチオエート基を導入したプローブを標的遺伝子上で反応させた結果、ジニトロベンゼンスルホニル基が脱保護されたことにより蛍光の上昇が観察された。一方、1つミスマッチを含む配列や標的配列非存在下では、蛍光シグナルの増加はほとんど観察されなかった。これらの結果より、本プローブは、芳香族求核置換反応により標的核酸配列特異的に蛍光シグナルを発生することが明らかとなった。今後は、生細胞内での検出を目指し、より長波長の蛍光化合物(ローダミンなど)で検討する予定である。
All 2010
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
Chemical communications
Volume: Vol 45 Pages: 2127-2129