Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ジャスモン酸(JA)とその誘導体(JA-lle等)は植物の発達過程や病傷害への防御応答に必須の情報伝達物質である。JA-lle含量の増加は、COl1-JAZ複合体の形成からJAZタンパク質の分解、転写因子MYC2の活性化という一連の過程を引き起こすと考えられている。私達はJA応答遺伝子の発現プロファイルを用いたネットワーク解析より得られた、bHLH型転写因子MYL1、MYL2、MYL3に着目し研究を行ってきた。これらMYL転写因子の発現はCOl1およびMYC2依存的であるため、これらはJA情報伝達経路において機能することが示唆された。また、MYL転写因子の三重破壊株mylx3はメチルジャスモン酸(MJ)への応答が促進されており、myc2とは逆の表現型を示すことが明らかになった。MYL転写因子群のターゲット遺伝子を見出すために、mylx3とColの間で発現様式が異なる遺伝子をGeneChip解析により同定した。その結果、MYL1、MYL2、MYL3はジャスモン酸の情報伝達に関わることが知られている転写因子の発現を負に制御していること、さらに、ジャスモン酸類の代謝に関わる遺伝子やアントシアニン生合成遺伝子の発現をも負に制御していることが明らかになった。以上の結果から、MYL1、MYL2、MYL3は、JA情報伝達においてMYC2とantagonisticに機能する転写因子であると考えられる。現在、上記の研究成果を論文投稿中である。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results)
Plant Cell Physiol.
Volume: 52 Pages: 205-209