Project/Area Number |
11115201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蓬田 清 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70230844)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 断層形状 / すべり分布 / 断層破壊過程 / 近地変位記録 / 強震動 / 静的変位 / 離散波数法 |
Research Abstract |
本研究のひとつの成果は、離散波数法によって静的変位も含めた大地震の断層近傍での変位場を求めたことである。静的変位は測地や地殻変動という分野で、そして地震動は地震学や地震工学の分野で別々に議論されてきたが、近年のGPS観測網の展開、あるいは強震動地震計の高性能化によって、同時に観測することが可能になりつつある。静的変位はDC成分すなわち周波数ゼロの成分として、動的変位として理論的には扱え、近地地震記録の合成に広く用いられている離散波数法では、その表現式から同時に計算できるはずだが、十分な精度の議論はなかった。地殻変動での理論と比べると、横すべり断層では安定した精度のよい静的変位が求まるが、低角逆断層では計算に含まれるパラメターを注意して扱わないと、静的変位だけでは精度の悪くなる場合もある。とりわけ波数の最大値を十分の大きく、P波の波数の8倍程度まで取ることが必要であることがわかった。 もうひとつの研究内容は、断層の野外調査で得られた情報を基に断層運動の不規則性をできるだけ決定論的に再現し、そこからの1Hz前後までの強震動記録を合成、評価することである。地震や測地データのみでは1km以下の断層運動の不規則性は詳しく測定することは今だに困難である。地震に伴う断層調査なら断層の複雑な形状やすべり分布について100m以下のスケールでも正確に見積もることが可能で、よってこれより断層運動を再現すれば、かなりの高周波数帯域まで波形を予測できる。兵庫県南部地震の野島断層についての断層運動の複雑さより断層近傍の地震動を計算すると、単純な平らな断層からの予想に比べて大きく震動パターンなどが異なり、このような断層のデータを過去の活断層にまで広げて、強震動予測を検討する重要性が確認された。
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