Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,階層型解析理論をもとに,高精度・高分解能の都市強震動シミュレータの開発を図った.このシミュレータは,都市の地盤・地殻構造に関する情報(GISを想定をインプットすると,10mの空間分解能と10Hzの時間分解能で,都市内各地点の強震動の上・下限をアウトプットするものである.シミュレータのプロトタイプをもとに,実用に耐えるよう,プログラムのチューンァップを行った.以下,具体的な成果の概要を示す. 階層型解析の第1階層であるマクロ解析では10km程度の大きさの都市全域を対象とした,表層地盤・基盤・地質構造を考慮してモデル化し,多重極展開法を用いた境界要素法で数値計算をする.階層型解析の第2階層であるミクロ解析では100m程度の大きさの領域を対象とする.並列化計算を組み込んだ有限要素法を用いることで,地盤構造の他,微小地形や非線形性も考慮することが可能である.シミュレータの開発には横浜市のデータを用いている.これは横浜市強震ネットワークによって計測された強震動であり,横浜市自体,多数のボーリング計測によって地盤構造に関する情報も利用できるため,開発には適している.10程度の中規模地震に対して,実際に計算を行い,シミュレータの上下限解が計測された最大速度をはさむことを検証した.特に,微地形や地盤構造の才によって,強震動計測地点の近辺でも,10mのオーダーで速度分布や加速度分布に非常に大きなばらつきがみられることを実証した.変位・速度の波形に関しても,実測波形との比較を行い,高周波数成分の再現には改良の余地があるものの,少なくとも数Hzのオーダーでは十分精度良く,数値計算による再現が可能であることを実証した.
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