新規レドックス活性スピロ化合物より生成するπラジカルイオンの性質
Project/Area Number |
11133257
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
杉本 豊成 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (30093256)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 一正 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (10275290)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | ドナー / アクセプター / スピロ化合物 / 分子内電子移動 / 電気伝導性 / 磁性 |
Research Abstract |
レドックス活性なπ共役系、とくにテトラチアフルバレニル基を有するスピロ化合物は、単一成分系有機合成金属、伝導電子と局在スピンとが共存・相互作用する有機磁性金属や分子スイッチングを構築する上での有望な構成分子として期待される。本年度は、ジエチルチオテトラチアフルバレニル(DET-TTF)-ジセレノラートや-ジチオラート基で置換した、スピロ中心原子がNiやVである中性およびモノアニオン塩の合成を行い、これらのレドックス性質、結晶構造および電気伝導・磁気的性質について検討した。ビス(DET-TTF-ジセレノラートあるいは・ジチオラート)ニッケルのモノアニオンの(n-Hex)_4N^+塩が暗渇色結晶として単離され、これらの結晶構造解析が行われた。これらの(n-Hex)_4N^+塩の固体ESRおよびSQUID測定の結果より、ニッケル原子はNi(III)(S=1/2)の状態にあるが、室温の電気伝導度(σ_<RT>)は10^<-10> S cm^<-1>以下で絶縁体であった。一方、中性ニッケル錯体(1、2)の圧縮ペッレトのσ_<RT>はそれぞれ2.8, 0.05 S cm^<-1>であり、とくに1の半導体の活性化エネルギーは0.014eVと極めて小さかった。従って、1の単結晶は最初の単一成分系有機合成金属になる可能性が大きい。トリス(DET-TTF-ジチオラート)バナジウムのモノアニオンのNet_4^+塩(Net_4^+・3)が黒色柱状結晶として単離され、その結晶構造が決定された。このNet_4^+塩はESR不活性で絶縁体であるので、V(V)(S=0)の錯体と考えらる。対応する中世錯体(3)の圧縮ペレットのσ_<RT>は約10^<-4>S cm^<-1>と余り高くはないが、絶縁体であるトリス(エチレンジチオラート)バナジウム中性錯体と比較すると著しく電気伝導性が向上した。3に含まれる不対電子が優先的にDET-TTF-ジチオラート配位子上に存在するためと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)