一次元遷移金属錯体における強い電子格子相互作用、電子間相互作用と光物性
Project/Area Number |
11136210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40201991)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 遷移金属錯体 / 電子相関 / 電子格子相互作用 |
Research Abstract |
・強相関一次元金属錯体系の光励起状態の研究 ハロゲン架橋Ni錯体について、電場変調反射スペクトルの測定を行った。様々なNi錯体に共通して、最低励起子の高エネルギー側に一光子遷移禁制な励起子準位を観測した。この錯体系について三次の非線型光学定数を見積もったところ、10e-4から10e-8esuという大きな値であることがわかった。この値は、従来非線形光学定数が大きいと言われていたポリジアセチレンやポリシランのそれに比べて三桁以上大きい。また、一次元の銅酸化物についても、同様な測定から大きな三次の非線型光学定数(10e-8esu)を観測した。以上から巨大な非線形光学応答は、強相関一次元系に共通した特徴であると結論された。さらに、光伝導の励起エネルギー依存性の測定を行って、電場変調反射測定の結果から求められた励起準位構造と比較した。バンド幅が大きい物質ほど光伝導が電荷移動吸収帯の低エネルギー領域から立ちあがり、また奇と偶の電荷移動励起状態の分裂幅が小さくなることがわかった。このことは、バンド幅の増加とともに励起子効果が減少すると考えて定性的には理解できる。また、Ni-C1系では励起子発光が観測された。この発光の励起エネルギー依存性についても測定したが、その結果は、発光過程とキャリアヘの解離過程が競合していることを示している。 ・一次元遷移金属錯体における価数不安定性と相転移の研究 ハロゲン架橋複核Pt錯体、R4[Pt2(POP)4I]について、カウンターイオンRを変化させた様々な錯体の偏光反射、ラマン、帯磁率を測定し、これらが、モットハバード相、電荷分極相、スピンパイエルス相の三つの相をとることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)