インテグリンを介する細胞接着シグナル制御と癌化細胞の生存性・侵潤能の解析
Project/Area Number |
11137310
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
佐邊 壽孝 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究部長 (40187282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 雄一 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (60311304)
矢野 元 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (00284414)
橋本 茂 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (50311303)
MARIUS Sudol マウントサイナイ医科大学, 生化学科, 準教授
DONALD E. Ingber ハーバード大学医学部, 外科・病理学部門, 準教授
JOAN S. Brugge ハーバード大学医学部, 細胞生物学部門, 教授
|
Project Period (FY) |
1999 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | インテグリン / 細胞接着 / 運動性 / パキシリン / ARF / PAGs / 侵潤能 |
Research Abstract |
細胞が運動する際には、細胞の前方部にインテグリン接着点が新たに形成される。インテグリンは多くの種類の蛋白質をその細胞質領域に集積させることにより機能する。我々は、「このような裏打ち蛋白質群を集積させる過程が単に細胞質における自由拡散過程なのか、それとも、何か能動的な機序が存在するのか」との設問を立て、解析を開始した。 それまで機能解析をしてきたパキシリンというインテグリン裏打ち蛋白質に関して上記のような解析をしたところ、このものは、核周辺領域に細胞質プールが存在し、運動中に細胞前方に形成されるラミニポデアにパキシリンを集積させる過程は、細胞質での自由拡散ではなく、何らかの能動的な機序が存在することを強く示唆する結果を得た。そこで、パキシリンをプローブとしパキシリンの細胞内動態を説明できるような蛋白質を検索したところ、小胞/膜/蛋白質の輸送に関与する低分子性GTP結合蛋白質であるARF蛋白質に対するGAP(GTPase-activating protein)活性を持つ一連の興味深い一連の蛋白質が得られ、これらの蛋白質をPAGs(Paxillin-associated ARFGAP proteins)と命名した。現在、5種類のcDNAが得られており、その内、2種に関してほぼ初期段階の解析が終了し、論文に纏めている。ARFは哺乳類では6種のアイソフォームが存在するが、解析の終わった2種のPAG蛋白質はin vivoでそれぞれ異なったARFアイソフォームに対するGAP活性を示すこと、それらはパキシリンの細胞内での局在とダイナミックスの制御に互いに異なった機序により関与していること、さらには、細胞運動の制御にも関与していることを明らかにしている。特に、パキシリン結合性蛋白質として単離したこのようなPAG蛋白質が全てARFGAP活性を持っていることは、パキシリンのフォーカルコンタクトへの集積過程は、その過程自身に対して何らかの負のフィードバック制御機構を持っていることを示唆している。また、単球の成熟過程において発現誘導されるPAGが存在し、それは、ヒト動脈硬化病変における泡沫細胞に高レベル発現していることも観察している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)