転写因子のPEBP2α/AML1の点変異による機能変化とその発癌能
Project/Area Number |
11138229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
重定 勝哉 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40009626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大里 元美 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (90314286)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 転写因子 / PEBP2 / AML1 / 白血病 / 点変異 / Runtドメイン / NMR / 立体構造 |
Research Abstract |
転写因子PEBP2/AML1は白血病に関連する染色体転座の最も高頻度なターゲットとして良く知られている.本研究ではPEBP2の機能異常による発癌の機序を明らかにするために,本因子の機能的中核をなすαサブユニットのRuntドメインに注目して,その遺伝変異を利用した機能解析およびNMRによる立体構造解析を並行的に進め以下の結果を得た 1)白血病患者から同定されたRuntドメイン内に落ちる数種のPEBP2αB/AML1点突然変異体について機能解析を行い,それらがDNA結合・細胞内局在性・転写活性化等に欠陥を持つことを明らかにした.この結果に基づき,AML1遺伝子の点変異が白血病発症の有力な原因と成りうることを新たに提唱した.その後,他の臨床研究グループからも同様の変異が相次いで報告され,本説への支持と関心が高まりつつある. 2)PEBP2αサブユニットのDNA結合領域Runtドメインとβサブユニットの立体構造をそれぞれNMR解析により決定することに成功した.Runtドメインはβシートを骨格とするSタイプ免疫グロブリンフォールドと呼ばれる構造を持っており,この点でP53,NF-κB,NFAT1,STAT等と共通のグループに属することが分った.また,βサブユニットもβシートバレルを中核として,その両側にαヘリックスが配置した構造を持つことが示された.これらの構造情報は,白血病や骨形成異常症(CCD)の患者で検出されたRuntドメイン変異の示す機能異常と良く符合しており,今後,こうした疾患の診断ならびに機序解明に重要な手がかりをもたらすと期待される.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)