唾液腺癌のベスナリノンによる分化誘導療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11140250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 均 徳島大学, 歯学部, 助手 (70224847)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | 唾液腺癌 / ベスナリノン / 分化誘導療法 / TSC-22遺伝子 / アポトーシス / 転写活性化能 / 抗癌剤感受性 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
ヒト唾液腺癌細胞(TYS)を癌分化誘導剤ベスナリノン(3,4-dihydro-6[4-(3,4)-dimethoxbenzoyl-1-piperazinyl]-2(1H)-quinolinone)で処理して誘導される転写調節因子TSC-22の構造と機能を解析し、以下の諸点を明らかにした。 1.TSC-22cDNAをアンチセンス・オリエントに組み込んだ発現ベクターを、リポフェクチン試薬を用いてTYS細胞に導入すると、in vitro,in vivoでの細胞増殖は著明に促進した。 2.Green Fluorescent Protein遺伝子を有するベクター(pEGFP-C3)にヒトTSC-22遺伝子を挿入して、TYS細胞にトランスフェクションした。その結果、TSC-22-GFPタンパクの過剰発現は、抗癌剤(5-Fu,CDDP,BLM)及び放射線の感受性を増強した。この場合、アポトーシスが誘導され、TSC-22-GFP融合タンパクは、細胞質から核へtranslocationした。3.酵母転写因子(GAL4)のDNA結合領域(GAL4BD)の認識配列であるUAS配列の下流にレポーター遺伝子として、β-galactosidase遺伝子(LacZ)及びヒスチジン合成酵素遺伝子(HIS3)を有するホスト酵母YRG-2を、pBD-TSC-22にて形質転換した。この形質転換酵母は、SD-agar-TRP(-)-HIS(-)培地上では増殖を示さなかった。すなわち、TSC-22は酵母の系において転写活性化能が認められなかった。次に、レポーターとして、UAS配列の下流にルシフェラーゼ遺伝子を有するプラスミド(pFR-Luc)を用いて、GAL4BDとTSC-22との融合タンパクを哺乳動物の細胞において発現するベクターpBK-TSC-22とを、TYS細胞、HSG細胞、HeLa細胞にトランスフェクションした。その結果、TSC-22は転写活性化能を示さなかった。 4.酵母two-hybrid法により、TSC-22結合タンパクについて検索した。pBD-TSC-22をbaitとして用い、pGAD10-human fetal brain cDNAライブラリーをpreyとして用いて、ホスト酵母YRG-2に導入し、その形質転換体をアミノ酸要求性及びβ-galactosidase assayによってスクリーニングを行った。その結果、β-galactosidase陽性クローンを得た。 5.TYS細胞をベスナリノンで処理すると、p53のdown-regulationとp21WAF1及びp27kip1並びにTGF-β1のup-regulationをNorthern blotting及びWestern blottinjgにより検出し、TYS細胞の分化・アポトーシスとの関連性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)