Project/Area Number |
11144229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健二 九州大学, 歯学部, 教授 (40091326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 英昭 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40225769)
筑波 隆幸 九州大学, 歯学部, 助手 (30264055)
中西 博 九州大学, 歯学部, 助教授 (20155774)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | カテプシンE / カテプシンD / 細胞内アスパラギン酸プロテアーゼ / 生合成 / 細胞内輸送 / プロセシング / ノックアウト / マクロファージ |
Research Abstract |
カテプシンEはカテプシンDとともに動物細胞における主要な細胞内アスパラギン酸プロテアーゼである。カテプシンDが典型的なリソソーム酵素として組織・細胞に広く分布しているのに対し、カテプシンEは非リソソーム性酵素として限定的な分布をし、組織・細胞によって細胞膜型または細胞質型、あるいはその両方の存在様式をとる。筆者らはこれまでの実験から、カテプシンEが粗面小胞体上のリボソームで合成された後、古典的分泌経路でゴルジ野に運ばれることを示したが、その最終局在部位が細胞種によって異なるため、その選別・輸送および活性分子への変換機構についてはほとんど未解明であった。本研究では、まずラット腹腔マクロファージおよびラット脳ミクログリアを用いてカテプシンEの生合成と細胞内輸送機構を解析した。^3H-メチオニンを用いたパルスチェイス実験と免疫電顕による細胞化学的解析から、カテプシンEは膜結合リボソーム上でプレプロ体として合成された後、ゴルジ装置を経てエンドソームに輸送される。この間にプレプロ部は切断除去され、糖鎖は高マンノース型から複合型へと変換される。プロ型kら成熟型酵素への変換は酸性環境下で自己触媒的に行われることから、TGNあるいはエンドソームで起こるものと考えられる。一方、カテプシンEとカテプシンDの細胞機能における相違や相互関係を知る目的でカテプシンDノックアウト(D^<-1->)マウス(ドイツのP.Saftigから供与)由来の腹腔マクロファージのカテプシンEの性状を解析した。D^<-1->マウスのマクロファージのカテプシンEは、正常マウスのマクロファージと同様に生合成後エンドソーム様コンパートメントに輸送されて成熟型酵素へ変換された。しかし、D^<-1->マウスのマクロファージでのカテプシンEの発現量は正常マウスのものと比べるとはるかに少なく、また細胞外にプロ型酵素として分泌される分子が相対的に増加していた。これらの結果は、カテプシンDがカテプシンEの発現や細胞内輸送に何らかの影響を与えていることを示唆している。さらに、初代培養ラット胸腺細胞を用いた実験では、カテプシンEは生合成後、小胞体を経てゴルジ装置に達し、恐らくトランスゴルジまたはTGNに複合型糖鎖をもつ中間型分子として局在することが示された。この中間型分子はステロイドなどで胸腺細胞が刺激されると、エンドソーム様コンパートメントへ輸送されて成熟型分子へと変換されることが明らかにされた。
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