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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,ニワトリ胚を用いて,消化器官が,未分化な消化管から機能的な消化器官へと形態的にも機能的にも分化する過程で,そこに関与する多くの遺伝子の発現パターンと機能を解析し,消化器官の形成の分子的・遺伝的基盤を明らかにすることである。 平成11年度には,消化管の初期において領域を決定することに関わると考えられるcSox2,cSox21やCdxA遺伝子の機能解析,前胃における腺形成や腺上皮細胞の特異的マーカーであるECPg遺伝子の発現に関わる骨形成蛋白質BMPの作用の解析,ならびに砂嚢(筋胃)の平滑筋と神経の分化に対する上皮のSonic hedgehog(shh)の作用の解析が行われた。 cSox2とcSox21は消化管前方の上皮で発現し,CdxAは後方の上皮で発現するので,この両者によって上皮の領域が決定される可能性を検討した。しかしどの遺伝子も単独の異所的強制発現では領域性を変更することはできず,他の遺伝子や因子の関与が示唆された。前胃腺の形成がBMP2によって制御されていることはすでに明かにしたが,このことをさらに確認するためにBMPのシグナリングの阻害因子であるnogginやfollistatinを前胃間充織で強制発現させたところ,腺形成がまったく起こらなかった。従って,腺形成にはBMP(BMP2)の存在が必要不可欠であることが確かめられた。さらに,消化管の平滑筋と自律神経叢の分化に上皮のshhが関係していること,少なくとも神経叢の分化にはBMP4が介在していることも示された。
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