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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
酵母およびショウジョウバエを用いたmRNA局在機構の解析から以下の知見を得た。 酵母において、ASH1 mRNAの娘細胞の先端への局在を顕微鏡下で観察する系を確立した。この系を用いたスクリーニングにより、ASH1 mRNAの局在にはこれまで知られているMYO4,BNI1に加え、アクチン結合タンパク質トロポミオシンTPM1,ポリA結合タンパク質PAB1,基礎転写因子TAF145,新規の遺伝子YML114,細胞極性の確立に関与するBUD6,SPA2が関与することを明らかにした。さらに、RNA結合モチーフをもつMPT5遺伝子がASH1の翻訳制御に関与するという予備的結果を得た。今後、これらの系を用いて、さらに多くの変異株の分離、解析することにより、mRNA局在の分子機構およびASH1 mRNAの翻訳レベルでの制御機構を明らかにする予定である。 次に、ショウジョウバエよりMAPキナーゼ(MARK)D-p38b、MARKキナーゼ(MAPKK)licorne(lic)/D-MKK3を分離し、Noselliらとの共同研究で、licが卵形成過程の非対称性の確立に機能することを明らかにした。すなわちlic変異体では卵殻の背腹軸の極性に異常がみられ、野生型に比べ球形で小さい卵をつくる。また、lic変異体の胚は、極細胞の数が減少しており、野生型では通常胚後端部でみられるoskar mRNAの局在に異常がみられた。oskar mRNAの局在は極細胞が正常につくられるために必須であり、Lic-p38 MAPKカスケードはoskar mRNAの局在を制御していると考えられる。
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