遺伝子導入によるTリンパ球分化促進に基づくエイズ治療法の開発
Project/Area Number |
11161201
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高濱 洋介 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (20183858)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | Tリンパ球 / 胸腺 / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / エイズ / レトロウイルス / 免疫トレランス / ベクター |
Research Abstract |
私たちはこれまで、幼若Tリンパ球の運命決定に係わる細胞内信号分岐機構の解析を進めるため、幼若Tリンパ球に対して分化能を保持させたまま遺伝子導入する技術の開発を進めてきた。本研究では、この技術を新しいエイズ治療法の開発に応用する目的で、幼若Tリンパ球への体細胞遺伝子導入によって体内でのTリンパ球分化を制御できるか解析を進めた。その結果まず、クラゲ蛍光タンパク(GFP)を体細胞遺伝子導入した幼若Tリンパ球を、正常マウスの胸腺内に移入したところ、導入GFPを発現したTリンパ球が生体内で分化し、リンパ節や脾臓を再構築することがわかった。この結果から、これまで生体外器官培養系を用いて開発してきた幼若Tリンパ球への体細胞遺伝子導入法が、生体内のTリンパ球への遺伝子導入法として応用できる手法であることが明らかになった。また、上記手法によるGFP遺伝子導入マウスでは、GFP産生ウイルスのマウスへの投与によって見られる抗GFP抗体の産生が顕著に抑えられていた。この結果から、幼若Tリンパ球への体細胞遺伝子導入を用いることによって、導入遺伝子由来のタンパクに対する有効な免疫トレランスを誘導できることがわかった。このことは、あらゆる遺伝子治療にとって深刻な、免疫応答によるベクターの排除という問題を回避する上で有用な手法を提供する。これらの知見はいずれも、遺伝子導入による有効なエイズ治療法の確立に有用と考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)