炭素-カルコゲン結合のホモ開裂の高次制御とその応用
Project/Area Number |
11166235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山子 茂 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30222368)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ラジカル反応 / カップリング反応 / 有機テルル化合物 / イソシアニド / C-グリコシド / 炭素ラジカル |
Research Abstract |
本研究では炭素ラジカルの可逆的な生成という動的なプロセスに着目し、この特性を活かした新しいラジカルカップリング反応開発について検討を行った。特に、炭素-テルル結合のホモ解裂に着目して検討を行い、以下に示す結果を明らかにした。 1.糖骨格を持つ有機テルル化合物が加熱条件、あるいは光照射条件下において異性化することを見いだした。さらにその機構の解明を行い、反応系中において可逆的に炭素-テルル結合のホモ解裂が起こり、炭素ラジカルが生成していることを明らかにした。 2.上記の反応系において、炭素ラジカル補足剤としてアルキンを用いることにより、グループ移動型反応による種々のアルケニル置換糖誘導体の合成法を開発した。さらに、生成物の炭素-テルル結合の化学変換により、種々の炭素置換糖誘導体の合成を行った。 3.さらに、上記反応系における炭素ラジカル補足剤としてイソシアニドも有効であることを明らかにし、初めてのグループ移動型反応によるイミドイル化反応を開発した。一方、イソシアニドと等電子構造を持つ一酸化反応は全く反応しないという興味深い結果が得られた。その原因を明らかにするために理論計算を行ったところ、反応の進行が炭素ラジカルと一酸化炭素あるいはイソシアニドとの反応性にあるのではなく、生成したアシルラジカルあるいはイミドイルラジカルの安定性によることを明らかにした。 4.有機テルル化合物とアルキンやイソシアニドとの反応においては、出発系および生成系においても炭素-テルル結合のホモ解裂が可逆的に起こっており、出発物質と生成物における炭素-テルル結合の結合の強さの違いにより、反応が自動的に制御されている点を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)