Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
申請者らは,ATP合成酵素のサブユニットの転写レベルにおける制御システムを明らかにするため,Fo,stalkに属するサブユニット7種とF1のβ subunit,そして活性制御因子であるIF1(ATPase inhibitor protein)の全9種について転写物量の解析を行った.その結果,これら9種のサブユニットのmRNAは大部分心臓において最も多く発現しているが,これらmRNAの分子モル比は,脳・肝臓・心臓・腎臓の4種の臓器において全く同一の割合で発現されていることが初めて明かとなった.また,この発現パターンは,2〜90週齢ラットにおいても一定に保持されていることが明らかとなった.これらの結果から,ATP合成酵素サブユニットを一定の割合で発現するための,転写レベルでの分子シンクロナイゼイションシステム"ジーンシンクロナイザー"の存在が強く示唆された. さらに,本研究では,心筋細胞においてミトコンドリアが異常に増殖しているJVS(juvenile visceral steatosis)マウスを用いて,蛍光Differential Display(DD)法によりJVSマウスと正常マウスで発現しているmRNAの差を解析した.その結果,現段階でミトコンドリアの増殖に関与する可能性のある新規遺伝子を6種得ることに成功した.これらの因子がミトコンドリアにどのような影響を及ぼすかを調べるために,ミトコンドリア輸送ペプチドを融合させた蛍光タンパク発現ベクターを培養細胞中にトランスフェクトして,生細胞中におけるミトコンドリアの動態変化をタイムラプスデコンボリューションCCD蛍光顕微鏡下で直接観察する実験系を確立させた.現在,この実験系を用いてDD法によって得られた遺伝子の機能の解析を行なっている.
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