電気的カップリングによって組織化された神経モジュールの動態解析
Project/Area Number |
11168222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市川 敏夫 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50136420)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | カイコガ / 神経分泌細胞 / ペプチドホルモン / 同期的発火 / ギャップ結合 / 麻酔 |
Research Abstract |
中枢神経系のいろいろな領域において、比較的少数のニューロンが集まってモジュール構造をつくる。カイコガの食道下神経節にある5対の神経分泌細胞(PBAN分泌細胞)群は電気的カップリングよって組織化され同期的発火を繰り返す。本研究ではこの細胞群を対象にして動機的発火パターンの解析を行い、自発活動時の特定細胞の発火確率、発火順位および上位中枢からの信号による駆動・調節機構を調べた。 片側5個の分泌細胞は同期的発火に同じ確率で参加するのではなく、参加確率が90%の細胞から40%の細胞まで分布していた。また発火時刻もぴたり同じではなく発火順位があった。参加確率が高い細胞ほど高順位での発火が多かった。これらのことから神経細胞群はヘテロな集団であることが分かった。 PBAN分泌細胞群は脳にある活性化機構(上位中枢)から駆動信号を受け、同期的発火が開始されると考えられる。浅い麻酔をして脳からのトリガー入力を激減した時の同期的発火パターンを解析した。無麻酔下では全細胞が同期発火する場合が最も多いが、炭酸ガスや冷却麻酔下では、多数の細胞が参加する同期的発火が消失し、また左右の細胞群が同期発火する割合も減少した。ギャップ結合の阻害剤のハロセン麻酔下では、さらに同期発火細胞数が減少した。これらの結果から正常の細胞群系では中枢のトリガー信号によって片側の2個以上の細胞に発火が同時に開始され、細胞間カップリングよって系全体に広がることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)