Project/Area Number |
11224201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲辺 保 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20168412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
内藤 俊雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20227713)
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Project Period (FY) |
1999 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥25,100,000 (Direct Cost: ¥25,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥11,100,000 (Direct Cost: ¥11,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
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Keywords | フタロシアニン / 巨大な負の磁気抵抗 / 部分酸化塩 / 電子スピン共鳴 / 強相関電子系 / スピンラダー / ドーピング / 圧力依存性 / 局在スピン / 一次元伝導体 / 電気伝導度 / π-d系 / Ni(dmit)_2 / 負の磁気抵抗 / 磁化率 |
Research Abstract |
13年度の成果は以下の通りである。 ・フタロシアニン(Pc)系:軸配位子を導入した一次元導電体であるTPP[Fe^<III>(Pc)(CN)_2]_2の巨大な負の磁気抵抗が見いだされ、その大きな異方性と、磁化率の異方性との相関から、特異なπ-d相互作用が働いていることが示唆されていたが、その起源はまだ明確になっていなかった。部分酸化塩のESR信号は検知することができなかったが、単純塩及びそのCo(III)との固溶体を用いることで、Fe(III)の信号の検知に成功し、そのg因子が非常に大きな異方性を持つことが初めて明らかになった。従って、磁気モーメントの大きな方向に外部磁場が印加されたとき、磁気モーメントの整列が顕著になり、伝導電子のスピン散乱が押さえられ、負の磁気抵抗が現れると解釈できる。この研究と平行して、π電子系の拡張についても検討し、ナフタロシアニン(Nc)系を取り上げた。異性体の分離が必要な1,2-Ncについては、単離法を開発し、軸配位子をもつCo(III)錯体の部分酸化塩の開発に成功した。また、2,3-Ncについては導電性の中性ラジカル結晶を得、その電気伝導度の圧力依存性を調べた。両系ともクーロン反発効果が物性に大きく影響することが明らかとなった。 ・Ni(dmit)_2及びET系:スピンラダー構造となる新たなNi(dmit)_2塩を見いだした。また、この系へのドーピングの可能性を調べるために水素結合型カチオンとの塩を合成し、カチオンがある構造で配列したときプロトン欠陥が生じ、電気伝導度が著しく向上することが明らかとなった。また、ET系に局在磁気モーメントを導入した新規導電性結晶を作成し、その電気物性が圧力により非常に敏感に変化することを明らかにした。
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