Project/Area Number |
11770237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柳澤 裕子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50230264)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 覚せい剤 / 胎盤通過 / 組織学的局在 / 妊娠周期 / methamphetamine / amphetamine / optical isomer / placental transfer |
Research Abstract |
近年、覚せい剤乱用者の女性に占める割合は増加傾向にあり、女性は妊娠するということを考えると、女性の覚せい剤乱用は次世代へ与える影響が極めて大きいという重大な問題を秘めている。我々は、ヒトス妊産婦による覚せい剤乱用が胎児に与える影響を理解するための基礎実験として、実験動物を用いた覚せい胎盤通過に関する実験を企図した。平成12年度は妊娠周期の相違による覚せい剤の胎盤通過性について検討した。すなわち、妊娠20、40および50日目の妊娠モルモットにメタンフェタミン(MAMP)を各々20mg/k接種し、0.5、4および8時間後の母体および胎仔の諸臓器内MAMPおよびその代謝産物であるアンフェタミン(AMP)濃度をGCおよびGC/MSを用いて分析した。また、免疫染色による覚せい剤の組織学的局在についても併せて検討した。 その結果、妊娠初期(妊娠20日目)では胎盤および胎仔におけるAMP濃度が経時的に増加していたが、妊娠中期以降(妊娠40および50日目)では胎盤および胎仔におけるAMP濃度が接種4時間後が最も高い値を示し、8時間後では減少していた。妊娠初期には胎仔の解毒機構が備わっていないため、いったん胎仔に入った覚せい剤は胎仔に蓄積され、妊娠中期以降では解毒機構が発達しはじめるため胎仔自身により代謝、排泄されたものと考えられる。しかし、妊娠周期がすすむにつれて胎盤での物質通過が上昇するため、胎仔に移行する覚せい剤量も増加しており、胎仔の解毒機構も未熟である。また、胎盤重量1g当りの覚せい剤濃度は妊娠中期であっても一定濃度以上を示さなかったことから、妊娠中期以降であっても覚せい剤の胎盤通過による胎仔への影響が危惧された。また、妊娠初期は胎仔の器官原基の段階であるため、奇形因子への感受性が高い。さらに、その組織学的局在を見ても特定部位への局在ではなくほぼ均一であることから、器官形成への異常の可能性を示唆した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)