Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
申請者は平成11年度の研究において,チオペンタールによる血管平滑筋収縮が細胞内貯臓カルシウムの放出によるものであるという結果を得,すでに学術誌に発表したが,平成12年度においてはこの知見をさらに蛍光カルシウム指示薬を用いて検討した。通常使われる蛍光指示薬であるfura-2は,使用される波長がチオペンタールにより影響を受けるため,チオペンタールに影響を受けない可視光を用いるfluo-3を用いた。ラット大動脈標本において,fluo-3による細胞内カルシウムイオン濃度測定とトランスデューサーによる張力測定を同時に行った。 その結果、チオペンタールはラット大動脈平滑筋において,収縮と同時に細胞内カルシウム濃度の上昇を誘導することが確認された。さらに細胞内カルシウム貯臓を枯渇させるため,標本をタプシガルジンで前処置したところ,チオペンタールによる収縮および細胞内カルシウム濃度上昇が完全に抑制された。細胞外カルシウムの関与を調べるため,カルシウム除去液に標本を浸しチオペンタールを投与したところ,収縮は認めたものの蛍光によるカルシウム濃度については基線の経時的な減弱が著しく,チオペンタールによる上昇はは,きりとは確認できなかった。Fluo-3という単波長を用いる指示薬ではやむを得ない結果であったと考える。 以上の結果は,チオペンタールによる血管収縮が細胞内カルシウム貯臓からのカルシウム放出によるという前回の研究の結果を裏付けるものであると考える。
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