制度としての意味世界の形成における感情と合理性の研究
Project/Area Number |
11871030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
盛山 和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50113577)
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Project Period (FY) |
1999 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 規範の形成 / 規範的制度 / 妥当性 / 正当性 / 価値への共感 / 意味世界 / 感情 / 合理性 / 学生叛乱 / 意図せざる結果 / 理念的世界像 / 社会運動 / 社会秩序 / 脱近代 / 制度変動 / 競争的市場 / 集合的決定 / 行為選択 / 性別役割分業 / 構造機能主義 |
Research Abstract |
本年度の研究は、一般的な規範の形成と受け入れにおける個人行為者の側の条件という観点から、規範についてのメタ的な探求に焦点をおいた。「規範の形成ないし受け入れ」は、制度としての意味世界の形成にとっての代表的なケースを構成している。従来の研究は、この問題に関して、学知の理論的なレベルでの「規範的制度の妥当性ないし正当性」を論じてきたにすぎない。ここには、(1)そもそも学知のレベルで規範的制度の妥当性ないし正当性を確立することはいかにして可能かという問題と、(2)かりにそれが可能だとしても、それはいかにして社会的に受け入れられるものになりうるかという問題とが存在する。本研究では、学知が「慣習的なもの」「事実的なもの」および「超越的なもの」からは独立した地平において組み立てられなければならないという近代規範学の基本原理に忠実であろうとする限り、(1)の課題に対しては明確に「不可能」と判断せざるをえないことを示し、その上で、人々がある規範的な命題を受け入れるということは、その命題が導かれる理論の論証レベルの正しさによってというよりは、その命題が担っていると思われる「価値」への共感によっているのだということを明らかにした。むろん、それが「正しいかどうか」ではなく「正しく見える」ということも不可欠な条件なのであるが-「正しいかどうか」は確立されようがない。この研究成果は一般倫理に関する『アステイオン』の論文においてだけでなく、リベラリズムを中心とする公共哲学に関して、「後期ロールズの「秩序問題」」と題して日本社会学会大会でも報告された。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)