Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
近年,環境ホルモン等の汚染による出生児のアトピーを含めた体質異常が社会的問題となっている.これは,妊娠中における母体内環境と妊婦をとりまく環境との相互作用によって生じていると考えられているが,その因果関係は全く不明である. そこで本研究は,プロテアーゼカスケードの妊娠時期特異的な活性化機構とその生理作用を明らかにするために,以下の2点に焦点を絞った. (1)時期特異的な活性化機構の解明:♂hRN-Tgマウスと交配させた♀hANG-Tgマウスにおいて妊娠期間特異的に高血圧が誘発されるメカニズムは,hRNが胎児・胎盤系から母体に移行するためと推測される.この仮説を証明するために,本年度は以下の実験を行った. ・胎盤におけるhRNの発現は,で細胞性栄養膜細胞であることを明らかにしているので,hANGの胎盤での発現をin situ hybridization法でその発現部位を同定した.その結果,血島に特異的にmRNAの蓄積が認められた. (2)胎盤及び胎児脳の機能形成の解析:BBBは胎児発達過程で形成されると考えられているが,母体の病的状態下での脳の発達との関わりは全く不明である.また,妊娠高血圧マウスでの胎盤は虚血性浮腫を起こしており,胎盤関門の形成不全も推測される.そこで,本年度は以下の実験を行った. ・正常妊娠と高血圧妊娠から生まれた新生児に対して色素を注入し,生後のBBBの形成過程を調べるために,新生児でのcold injuryを試みた.新生児の脳のcold injuryは技術的に難しい側面を有しており,今後の改良が必須であることが判明した.現在,検討を重ねている.
|