環境中の微量金属および同位体比をつかった高分解能環境復元
Project/Area Number |
11F01015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 祐典 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NOT Christelle 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 微量金属 / 海洋酸性化 / ICPMS / 地球化学 / 炭素循環 / 炭酸塩 / 表層環境 / 同位体 / 海洋 / ウラン / 質量分析 / レーザー |
Research Abstract |
今年度は、海水および炭酸塩のウラン系列年代を決定するために、高精度セクター型誘導プラズマ質量分析装置(SF-ICPMS)の分析を中心に行うとともに、有孔虫の飼育試料の局所分析をレーザーを使ったICPMS(LA-ICPMS)によって行った。ウラン系列年代測定法の確立は、機器の不安定な挙動や化学処理中の混入元素除去方法の確立などに時間がかかったため、高精度の分析は行うことができなかったが、誤差がまだ大きいものの、安定な分析は行えるに至った。また、飼育有孔虫の局所分析については、共同研究者から提供された、複数の異なるpH区で飼育した有孔虫試料について、微量金属の挙動をLA-ICPMSにより分析した。この研究は現在進行中の人為起源気候温暖化に伴う、大気二酸化炭素上昇と並行しておこるとされる海洋酸性化が、海洋生態系へどのような影響を与えるかについて、予測する上で重要なデータを与える研究である。海洋酸性化が、特に炭酸塩の殻を持つ生物に与える影響は、マイナスであるとするものの他に、pH区間によってはプラスに作用するという報告もあり見解の一致は見られていない。今回の研究では、特に過去の水温復元やpH復元に利用されている微量金属の挙動について明らかにした。その結果、全ての種において一致した挙動を示すのではなく、また元素によっても異なる挙動を示し、問題の複雑さが明らかになった。しかし、一般的に言えることは、共生藻をもつ種と持たない種によっての挙動の一致は認められ、今後の実験のデザインをする上で貴重な情報となった。この研究はこれまで報告が無いことなるpH環境下で飼育された有孔虫試料の局所分析を行った世界で初めての研究となり、結果を国際誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように、当初目的としたウラン系列年代測定法の確立という意味では、予見し得なかった問題の続出(機器の故障も含む)により進行が遅れたが、レーザを使った飼育有孔虫試料の微量金属分布の研究については、大きな進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究員の研究期間においては、論文の投稿までが大きな目標である。研究室としては引き続き、ウラン系列年代測定法の確立を行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)