Research Abstract |
湖沼,海洋,水路等の底質では硫化物やアンモニアなどの悪臭が発生し,周辺環境の悪化を招く場合が多い。刈草や生ごみなどの様々な有機物をコンポストにする課程で微生物電池としての電力が発生することが確認された。 特殊な薬剤や高価な材料を用いずに微生物代謝による有機物分解の促進を行うために,活性炭や炭素繊維を用いた微生物電池の適用を行った。刈草や生ごみなどの様々な有機物をコンポストにする過程で微生物電池としての電力が発生することが確認された。微生物電池の正極にラップをして,内部の有機物ができるだけ嫌気条件となるようにすることで電力を向上させることが明らかとなった。 有機物の分解に伴う微生物電池において,負極に竹炭と鉄線を用いることで電力を向上させることができた。このときの最大発電力は,394.1mW/m2であった。 植物は光合成を行うことにより,根から様々な有機化合物を生産する。この有機化合物が微生物により無機物に分解され,そのときに発生する余剰電子により発電が行われることを応用した新エネルギー「植物利用型微生物燃料電池」の研究開発が期待されている。特に,稲の栽培で水田からの発電は大規模に行える可能性があることから,わが国でも将来の新たなエネルギーとして有望な手法である。 そのため,稲の栽培における微生物電池についても実験を行った。電極については,正極と負極いずれも炭素繊維を用いた。また,比較のため,稲を栽培していない条件での電圧についても,計測を行った。その結果,稲の生長に伴い約0.5Vの電圧が発生することが確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
社会事業として九州大学が取り組んでいるグラミン・クリエイティブ・ラボ@九大において,この研究のアジア地域での活用を計画しており,バングラデシュでのコンポスト型微生物電池の適用が期待される。バングラデシュ・ダッカのグラミン・シャクティーを訪問して,バイオガスの施設見学と堆肥化研究の打合せを行った。さらに,植物(稲)による微生物電池については,復旧の遅れている東北での農地での適用を進めている。
|