Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
昨年度に引き続きリン(P)とスズ(Sn)に注目して研究を行ったが, Li-P合金は水素吸蔵能を示さなかった。続いてLi-Sn系では, Li-Si系やLi-Ge系と同様にボールミリング処理(メカニカルアロイング)によって, Li_<1.1>Snの生成を試みた。しかし, 生成した相は, Li_<1.25>Snであった。この試料を用いて, PC-isotherm測定を行ったところ, 明瞭な2種類の中間相が存在すると考えられるプラトーが確認された。詳細な解析の結果, Li_<17>Sn_4+3.5H_2↔0.8Li_<13>Sn_5+7LiH, 0.8Li_<13>Sn_5+7LiH+3H_2↔4LiSn+13LiH,の反応式で記述できる事が明らかとなり, Si, Geの場合と同様に, LiHと比較して水素分子1モル当たり約100kJ程度, 特に2段階目の反応は, 150kJ程度不安定化している事が明らかとなった。これらの結果は, リチウムイオンニ次電池の負極特性とよく整合することも明らかとなり, リチウムイオンニ次電池の開発において試みられてきた第三元素の添加によって生じる電気化学特性の変化から, 水素貯蔵材料の特性予測が可能であることを裏付ける結果と考えられる。以上の結果は, 8月に開催された国際会議において発表を行った。 以上に加え, 類似の系として, Li-Si系材料のLiをカリウム(K)に置き換えた材料研究にもにも着手した。結果として, 新たな水素吸蔵放出の反応系として, 4mass%以上の水素量を示すKSiH_3の特性を詳細に調べた。空気に対して非常に活性の高いため, 表面が安定化して水素との反応性に乏しいが, 種々の方法で活性化処理が可能である事が明らかとなった。これについては, 水素エネルギー協会大会にて発表を行い, 本系は4mass%以上の水素を150℃以下で吸蔵放出可能な系として注目を集めた。
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