Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
ステンレス鋼やチタン合金は、耐食性が高いため化学プラントから生体材料等の幅広い環境中で使用されている。しかし,環境が変化すると予想しない腐食が発生することがあり、その腐食挙動は十分に理解されているとは言い難い。特に,次世代高強度材料として期待されている,酸化物分散強化型(ODS)フェライトス鋼については,腐食挙動に関する知見が殆ど無い。 そこで、本年度はクロム濃度を変えて作製したODSフェライト鋼,オーステナイトステンレス鋼,チタン合金の硝酸環境中を中心に腐食挙動の調査を電気化学的手法と浸漬腐食試験により行うとともに,表面酸化物皮膜構造をXPSにより分析した。 12%-15%CrODS鋼の3Mから9Mの沸騰硝酸中の腐食挙動を浸漬試験により調査した。浸漬時間は,最長240時間とした。その結果,15%Cr ODS鋼の腐食速度は,0.02-0.24mm/年であり,304Lステンレス鋼の腐食速度は,0.02-016mm/年(浸漬初期)であった。ODS鋼は,240時間浸漬しても粒界腐食は観察されなかった。動電位分極曲線から求めた,腐食電位は硝酸濃度が高くなるに従って,貴側に変化した。XPSによる表面分析の結果から,ODS鋼とステンレス鋼の腐食挙動の違いは,不働態皮膜組成の違いによることを明らかにした。 JIS-2Tiとチタン合金,(Ti-0.4Ni-0.15Cr-0.01Pd-0.03Ru-Ta, KS50AKOT)の沸騰濃硝酸溶液中における腐食挙動を調査した。浸漬腐食時間は240時間とし,48時間毎に溶液を交換した。腐食速度は,JIS-2Tiで0.07mm/年,チタン合金で0.000763mm/年であった。 ODS鋼の硝酸環境中における使用の可能性を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでの成果を,国際会議で2回(1回は招待講演),国内の学会で1回発表している。 更に,投稿論文(印刷中)査読付きが2報,投稿中(査読付き)が1報,解説(査読中)が1報あであり,その他2報投稿準備中であるため。
|