Project/Area Number |
11J00072
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 岳志 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | セレン / グルタチオン / 亜セレン酸 / セレノール / セレニド / セレンタンパク質 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に報告したグルタチオン(GSH)依存的な細胞外へのセレン排出がどのような経路で行われているかを、マウス肝細胞由来の培養細胞株であるHepa1-6細胞を用いて解析した。GSH抱合体の多くはATP依存的にGSXポンプよって細胞外へ排出される。そのため、グルタチオン依存的なセレンの排出も同様の経路で行われていることが考えられた。そこで、GSXポンプの基質として知られる蛍光分子GS-bimaneを細胞内で生成させ、亜セレン酸添加によってその排出量がどのように変化するかを解析した。その結果、亜セレン酸添加によって有意に細胞外へのGS-bimane排出量が減少し、セレンが同様のトランスポーターにより排出されているために競合が起きたことが示唆された。これにより、亜セレン酸由来のセレンの排出がGSXポンプを介して行われている可能性が考えられた。一方で、前年度に報告したセレノシステイン特異的な化学反応を更に詳しく調べ、改良を重ねることで、セレノール(R-SeH)およびセレニド(Se^<2->)の選択的かつ実用的な検出法開発に至った。セレンタンパク質を含むセレノールやセレニドは、生体内でも特に重要な形態のセレンであるものの、実用的な検出法がなくその開発が望まれていた。本手法を用いることでこれまでに報告例のない、細胞内のセレノールおよびセレニドの亜セレン酸依存的な増加を捉えることに成功した。また、グルタチオンレダクターゼ依存的なNADPHによる亜セレン酸還元反応により、セレニドが生成することを本手法により実証した。本手法は今後、セレンの運搬・代謝機構の解明に大きく貢献することが予想される。
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